ハンチング帽とは、平たい帽体が前に傾き、額の上に短いつばがついた帽子で、19世紀のイギリスで狩猟用にかぶられたのが名前の由来です。キャップより落ち着いて見え、ベレー帽よりきちんとした印象になるため、ジャケットからTシャツまで幅広い装いに合わせられます。この記事では、特徴と呼び名、キャスケット・ベレー帽との違い、前からかぶる基本の手順、似合う顔型・髪型、メンズ・レディースのコーデまでをまとめます。
この記事の要点
- ハンチング帽は、平たく前に傾いた帽体と短いつばが特徴の帽子。日本では「鳥打帽」、英語圏では「フラットキャップ」とも呼ばれます。
- キャスケットとの違いは帽体のつくり。ハンチングは平たく前に傾き、キャスケットは複数枚の布をはぎ合わせてふっくら丸く仕立てたものが多い帽子です。
- かぶり方の基本は、つばを持って前からかぶり、内側の前方を額に当ててから後頭部を包むこと。つばは眉の少し上、横から見て水平が目安です。
- 丸顔はやや浅めにかぶって額を見せ、面長はつばを水平に保って高さを出さないなど、顔型に合わせて深さを調整します。
- 「おじさんっぽい」印象の主な原因は、深すぎるかぶり方と大きすぎるサイズ。浅めにかぶり、ジャストサイズを選ぶのが近道です。
ハンチング帽の特徴と呼び名の由来
ハンチング帽の形には、次の3つの特徴があります。
- 平たい帽体:頭頂部が高くならず、頭にそって平たく収まる
- 前に傾いたシルエット:後ろから前に向かって帽体が下がり、つばの上にかぶさる
- 短く浅いつば:キャップより短いつばが額の上にのる

名前は英語の hunting(狩猟)に由来し、19世紀のイギリスで狩猟や乗馬の際にかぶられて広まったとされます。平たい帽子の原型はそれより古く、14世紀ごろのイングランドにさかのぼるという説もあります。頭の形にそってずれにくいことも、屋外で好まれた理由のひとつです。英語圏では flat cap(フラットキャップ)と呼ばれるのが一般的です。
日本には明治時代に伝わったとされ、鳥撃ち(狩猟)の帽子という意味で「鳥打帽(とりうちぼう)」とも呼ばれてきました。「ハンティング帽」「ハッチング帽」と呼ばれることもありますが、一般的な表記は「ハンチング帽」です。
現在は、きれいめカジュアルの小物として性別や年齢を問わずかぶられています。つばが小さく全体が平たいため主張が強すぎず、帽子に慣れていない人でも取り入れやすい形です。
ハンチング・キャスケット・ベレー帽の違い
3つの見分け方は、つばの有無と帽体のつくりです。つばがなければベレー帽、つばがあって帽体が平たく前に傾いていればハンチング、つばがあって帽体がふっくら丸ければキャスケットと覚えると迷いません。
| 項目 | ハンチング | キャスケット | ベレー帽 |
|---|---|---|---|
| つば | 短く浅い前つば | 前つばあり(ハンチングよりやや大きめのものが多い) | なし |
| 帽体のつくり | 1枚天井か少ないはぎ合わせで、平たく前に傾く | 4枚・6枚・8枚など複数枚をはぎ合わせ、ふっくら丸い。頂点にボタンが付くものも多い | 平たく柔らかい円形 |
| 名前の由来 | 英語 hunting(狩猟) | フランス語 casquette(つばのある帽子) | フランス語 béret。バスク地方の帽子が原型とされる |
| 印象 | すっきり・きちんと | 甘め・こなれ感 | 柔らかく個性的 |
| かぶり方の基本 | 前からかぶり、つばを水平に | 深めにかぶって丸みを残す | 前からかぶり、余った布を後ろへ流す |
| 合わせやすい装い | ジャケット〜きれいめカジュアル | フェミニン・古着ミックス | シンプルな服・モード |
キャスケットとハンチングの違い
いちばんの違いは帽体です。ハンチングは1枚天井か少ないはぎ合わせで平たく、前に向かって下がるすっきりした形。キャスケットは複数枚の布をはぎ合わせてトップに丸みとボリュームがあり、頂点にくるみボタンが付くものも多く見られます。キャスケットをハンチングの一種とする分類もあり、海外ではほぼ同じ帽子として扱われることもあります。印象は、ハンチングがシャープできちんと、キャスケットが柔らかく甘めです。

ベレー帽とハンチングの違い
前につばがあるのがハンチング、つばがなく柔らかい布を頭にのせるのがベレー帽です。ハンチングはつばが額のラインを作るぶんきちんとした印象になり、ベレー帽はふくらみの置き方で表情を変えられる柔らかさが持ち味です。なお、ハンチングのつばを後ろに回してかぶると、ベレー帽に近い丸いシルエットになります。ベレー帽のかぶり方はベレー帽の被り方(基本の手順と顔型・年代別のコツ)で、キャップ・バケットハットなどほかの帽子との形の違いは帽子の種類と名前一覧(シルエット図)で解説しています。
ハンチングのかぶり方 — 基本の手順と応用
ハンチングは、キャップのように後ろから引いてかぶるのではなく、つばを持って前からかぶるのが基本です。「おじさんっぽい」と言われやすい深すぎるかぶり方を避けるためにも、つばの高さと水平を意識しましょう。
基本の前かぶり(4ステップ)
- つばを両手で持ち、顔の正面に向けて前からかぶる
- 帽子の内側の前方(額に当たる部分)をおでこに当て、つばの高さを眉の少し上に決める
- 額に当てた位置を保ったまま、帽体を後頭部へ下ろして頭全体を包む
- 横から見てつばがほぼ水平か、わずかに前下がりになっているかを鏡で確かめ、頭頂部を軽くつまんでふくらみを少し残す
よくある失敗と直し方
- 眉が隠れるほど深い:重たく古い印象に寄りやすい。つばを指1本分ほど上げ、額を少し見せる
- つばが上を向いている:帽子が浮いて見える。後頭部側を深くして前を下げ、水平に戻す
- 意図せず左右に傾いている:だらしなく見えやすい。つばを顔の中央に合わせてから、必要なら角度をつける
浅かぶり・斜めかぶり
前かぶりに慣れたら、少し後ろに引いて額を見せる浅かぶりがおすすめです。顔まわりが明るく見え、軽やかな雰囲気になります。さらに左右どちらかにわずかに角度をつける斜めかぶりは、ベレー帽に近い柔らかさが出て、女性の装いや甘めのコーデとよく合います。
後ろ被り(バックトゥフロント)
つばを後ろに向ける「バックトゥフロント」は、前かぶりに慣れてから試したいアレンジです。うなじ側につばがくることで顔まわりがすっきり開き、Tシャツやスウェットなどのカジュアルとよくなじみます。前髪をおろすとバランスが取りやすくなります。
メンズとレディースのかぶり方の違い
| ポイント | メンズ | レディース |
|---|---|---|
| 基本の位置 | つばを眉の少し上で水平に保つ前かぶり | やや後ろに引いて額を見せる浅かぶり |
| 角度 | まっすぐが基本。慣れたらわずかに傾ける | 斜めかぶりで柔らかさを出しやすい |
| 髪との合わせ方 | 短髪は耳を出し、長めの髪は襟足を少し出す | 前髪はおろすか流す。耳まわりや後ろに後れ毛を残す |
| 印象 | きちんと・紳士的 | カジュアルフェミニン・こなれ感 |
男女で決まりがあるわけではなく、ハンチングは男女兼用で使える帽子です。なりたい印象に合わせて、どちらのかぶり方も試してみてください。
ハンチング帽が似合う顔型・髪型
ハンチングは頭にそう平たい帽子なので、顔型ごとに「どこまで額を見せるか」「高さを出すか」を変えるだけで似合わせやすくなります。
| 顔型 | かぶり方 | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|
| 丸顔 | やや浅めにかぶって額を少し見せ、トップにふくらみを残して縦のラインを作る | 立体感があり、サイドにやや広がりのある形 |
| 面長 | つばを水平に保ってしっかり安定させ、高さを出さない。前髪をおろすと縦の長さが和らぐ | 平たく、横に広がりのある形 |
| ベース型(四角顔) | つばをわずかに斜めにずらし、サイドの髪を少し残して輪郭をぼかす | つば幅が顔幅より狭く見えないもの |
| 逆三角 | 後ろに少し倒すように深めにかぶり、額の広さを抑える | 頭にほどよくフィットするもの |
| たまご型 | 基本の前かぶりでバランスよくまとまる。浅め・斜めも試しやすい | 好みの形でよい |
髪型との合わせ方
- ショート・短髪:浅めにかぶると帽子のシルエットが引き立つ。耳を出してすっきりと
- ミディアム:耳にかけるか毛先を軽く外にはねさせ、帽子の下で髪がつぶれて見えないようにする
- ロング:低めのひとつ結びやお団子にまとめると、帽子の後ろがきれいに収まる。おろす場合は耳の横や後ろに髪を少し残す
- 前髪:おろすと親しみやすく、あげて額を出すと顔まわりがすっきり見える
ハンチングのコーデ(メンズ)
メンズのハンチングは、かぶるだけで紳士的な落ち着きが加わります。カジュアルに寄せすぎず、きれいめのアクセントとして使うのがコツです。
- ジャケット+シャツの装いに合わせて、休日でも品よくまとめる
- 無地のTシャツやスウェットに重ね、シンプルな服の外し役にする
- デニムやチノパンなど定番ボトムスと合わせ、足元は革靴やスニーカーで調整
- 色を落ち着いたトーンでそろえると、帽子だけが浮かずになじむ
ハンチングのコーデ(レディース)
レディースのハンチングは、甘くなりすぎる装いを引き締めたり、逆にカジュアルフェミニンに寄せたりと、味付けを変えやすいのが魅力です。斜めかぶりで柔らかさを出すと女性らしくまとまります。
- ワンピースやスカートに合わせ、甘さを程よく抑えたカジュアルフェミニンに
- シャツ+パンツのきれいめスタイルに重ね、かっちりしすぎない印象に
- ざっくりニットやワイドパンツのリラックス装いに、きちんと感を足す
- 髪をゆるくまとめ、後れ毛を残すと帽子となじみやすい
「おじさんっぽい」を避ける3つのコツ
ハンチングに古くさい・ダサいというイメージを持つ方もいますが、それは昔の「深くかぶって全体を暗くまとめる」着こなしの印象が残っているためです。次の3点を押さえれば、今っぽく大人の余裕のある雰囲気に見せられます。
- 浅めにかぶり、額を少し見せて頭頂部にふくらみを残す
- 体に対して大きすぎないジャストサイズを選ぶ
- 服装のどこかに軽さ(明るい色や素肌見せ)を作り、重くなりすぎないようにする
逆に、深くかぶって全身を濃い色で固めると、途端に古い印象に寄ってしまいます。帽子はあくまで装いの仕上げと考え、抜けを一か所つくることを意識してください。
ハンチングの選び方
サイズ・かぶり心地
まず大切なのはサイズです。大きすぎると深くかぶりすぎて野暮ったく、小さすぎると浮いて見えたり跡が残ったりします。頭まわりは、メジャーを額の中央(眉の少し上)から耳の上、後頭部のいちばん出ているところを通るように一周させて測り、表記サイズと照らし合わせます。かぶったときに眉の少し上に自然にのり、歩いてもずれない程度が目安です。試着できない場合は、ふだんの帽子のかぶり心地も基準にしましょう。
素材と季節
ハンチングは素材で季節感が変わります。厚みのある生地やフェルト調のものは秋冬に、さらりと軽い生地のものは春夏に向きます。一年を通して使いたいなら、季節を選びにくい中間的な厚みの生地が便利です。
色
はじめの一つは、手持ちの服と合わせやすい落ち着いた色がおすすめです。深い藍色のような濃色は、コーディネートの引き締め役になり、カジュアルからきれいめまで幅広くなじみます。バケットハット派の方はバケットハットのコーデも参考にしてください。
藍染市場のハンチング
藍染市場の藍染ハンチングは、顔まわりをすっきり見せるベーシックなフォルムの男女兼用ハンチングです。上の写真では、青と白が混ざり合うムラのある藍の色合いと、平たい帽体が短いつばにかぶさる定番の形が確認できます。藍の表情は洗うたびに変化していきます。この記事で紹介した前かぶり・浅かぶり・斜めかぶりのどれにもなじみ、白シャツやデニム、ジャケットの装いの仕上げ役になります。
- 藍染ハンチング — 男女兼用のベーシックなフォルム。洗うたびに表情が変化していく藍の色合い
→ 藍染ハンチングを見る / 藍染の帽子・キャップ一覧を見る
まとめ
ハンチングは、狩猟用として生まれた平たいつば付きの帽子で、キャップよりも落ち着き、ベレー帽よりもきちんと見えるバランスの良さが魅力です。深くかぶりすぎず、頭頂部にふくらみを残して浅めにのせるのが失敗しないコツ。前かぶりを基本に、斜めかぶりや後ろ被りで表情を変えれば、メンズもレディースも一年を通して楽しめます。まずは合わせやすい色から、気になる一つを取り入れてみてください。
よくある質問
ハンチングとキャスケットの違いは?
どちらも前つばのある帽子ですが、ハンチングは帽体が平たく浅め、キャスケットはふっくら丸くボリュームがあります。キャスケットは広い意味でハンチングの仲間とされることもあり、印象はキャスケットの方が甘め、ハンチングの方がすっきり紳士的です。
ハンチングは前と後ろ、どちらにかぶるのが正しい?
基本はつばを正面に向けた前かぶりです。慣れてきたら少し斜めにする斜めかぶりや、つばを後ろにするバックトゥフロントで表情を変えられます。深くかぶりすぎず、頭頂部にふくらみを残すのがきれいに見えるコツです。
ハンチングは「おじさんっぽい」「ダサい」って本当?
古い印象は、深くかぶって全身を濃い色でまとめた着こなしから来ています。浅めにかぶってジャストサイズを選び、装いのどこかに軽さを作れば、今っぽく大人の余裕のある雰囲気になります。
レディースでもハンチングは似合う?
男女兼用のアイテムなので女性にもよく似合います。ワンピースやスカートに合わせるとカジュアルフェミニンに、シャツ+パンツのきれいめに重ねるとこなれた印象になります。斜めかぶりで柔らかさを出すのがおすすめです。
ハンチング帽が似合う顔型は?
ハンチングは頭にそう平たい帽子なので、かぶり方しだいで多くの顔型に合わせられます。丸顔はやや浅めにかぶって額を見せ、面長はつばを水平に保って高さを出さないのがコツです。ベース型はつばをわずかに斜めにずらし、サイドの髪を少し残すと輪郭がやわらぎます。
「ハンティング帽」「ハッチング帽」はハンチング帽と違うものですか?
どちらもハンチング帽のことを指して使われる呼び方です。名前は英語の hunting(狩猟)に由来し、一般的な表記は「ハンチング帽」です。日本では「鳥打帽」、英語圏では「フラットキャップ」とも呼ばれます。
ハンチングのサイズはどう測りますか?
メジャーを額の中央(眉の少し上)から耳の上、後頭部のいちばん出ているところを通るように一周させて測ります。大きすぎると深くかぶりすぎて古い印象に、小さすぎると浮いて跡も残りやすいので、ジャストサイズを選ぶのが基本です。
ハンチングは秋冬と春夏、どちらの帽子ですか?
季節を問わずかぶれる帽子で、季節感は生地で調整します。秋冬は厚みのある生地やフェルト調のもの、春夏はさらりと軽い生地のものが向いています。一年を通して使いたいなら、中間的な厚みの生地が便利です。
藍染市場のハンチングはどんな帽子?
顔まわりをすっきり見せるベーシックなフォルムの男女兼用ハンチングです。藍の色合いは洗うたびに表情が変化していきます。詳しいサイズやお届けについては商品ページをご確認ください。


















