藍色のコットンT「家紋」の背面。背中の上部中央に、五つの丸い弁で縁取った大きな白い紋があり、内側の輪の中に笹の葉のような図柄が見える。襟の下には四角い枠の小さな印
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家紋の調べ方|墓石・仏壇・親族でたどる4つの手順と、家紋とは・種類・意味・女紋

自分の家の家紋は、墓石や仏壇、紋付の着物など家に残る品で形を確かめ、親族や本家に聞いて裏づけるのがいちばん確実な調べ方です。家紋(かもん)とは、家の出自や家系を表す目印として代々受け継がれてきた紋章のことで、同じ名字でも家ごとに紋が違うのは珍しくありません。この記事では、調べる順番と探す場所、見つけた紋の名前を突き止めるための「外枠・数・配置」の読み方を図にまとめ、あわせて家紋の種類と意味、女紋についても紹介します。

この記事の要点

  • 調べる順番は「①家にある品(墓石・仏壇・盆提灯・紋付)を見る → ②親族・本家に聞く → ③菩提寺・霊園に相談する → ④古い戸籍で本籍地をたどる」。まずは①と②から始めるのが基本です。
  • 戸籍に家紋は載っていません。家紋には届け出や登録の制度がなく、名字から引いた一覧の紋は「その名字の家で使われている例」にすぎません。
  • 見つけた紋は写真に撮り、外枠(丸・角・菱など)、図柄、数、配置、日向か陰かを書き出すと、紋帳や家紋の事典で名前を突き止めやすくなります。
  • 家紋は植物紋・動物紋・器物紋など描かれたもので分けられ、現在使われている家紋は2万とも2万5000とも言われます。藤・桐・鷹の羽などの「十大家紋」には、子孫繁栄や武運の願いが言い伝えられています。
  • 女紋(おんなもん)は、母から娘へ女系で受け継ぐ紋などを指し、主に関西や瀬戸内海沿岸などで見られる風習とされます。指すものが地域で違うので、着物に紋を入れる前に家族に確かめましょう。

家紋の調べ方 — 探す順番の早見表

家紋を調べるときは、手元に近い手がかりから順に範囲を広げていくのが近道です。家紋を刻んだ墓石や、紋の入った仏具・着物が残っていれば、それがいちばん確かな証拠になります。見つからなければ親族、お寺、戸籍へと、少しずつさかのぼっていきます。

自分の家紋を調べる順番の図。1 家にある品を見る、2 親族・本家に聞く、3 菩提寺・霊園に相談する、4 古い戸籍で本籍地をたどる、5 それでも分からないとき、の順に進み、見つかったら写真を撮る・別の品と見比べる・外枠や数を書き出す・紋帳で名前を確かめる
家紋を調べる順番。1〜4のどこかで見つかったら、右の4つの手順で名前まで確かめます
手順 どこで・誰に 確かめること 気をつけたいこと
①家にある品を見る 墓石、仏壇・位牌、盆提灯、紋付の着物・喪服、瓦、婚礼箪笥 紋の形。正面から写真に撮る 女性の着物や箪笥の紋は、実家の紋や女紋のことがある
②親族・本家に聞く 父方の年長の親族、本家 紋の名前、本家の墓や仏壇の場所 記憶だけに頼らず、実物で形を確かめる
③菩提寺・霊園に相談する 先祖の墓がある寺、霊園の管理事務所 本家筋の墓の場所などの手がかり 記録の扱いは寺や霊園ごとに違う。続柄と目的を伝えて相談する
④古い戸籍で本籍地をたどる 市区町村の戸籍の窓口 先祖が本籍を置いていた土地 戸籍に家紋は載らない。その土地で同じ名字の家や墓を探す手がかりにする
⑤それでも分からないとき 家族、紋入れを扱う呉服店や専門店 新しく定めるか、通紋を使うか 家紋は登録制ではなく、新たに決めてもかまわない

家紋の調べ方を紹介する多くの解説でも、最初の手順には家族・親族に聞くことと墓石を確かめることが挙げられています。まずは、家にある品から見ていきましょう。

手順1 墓石・仏壇・着物で家紋の実物を探す

家紋は家の目印として、墓石や仏具、礼装の着物などに入れられてきました。家や実家に次のような品が残っていないか確かめます。家紋は細部の違いで名前が変わるので、見つけたら記憶に頼らず写真に残しておくのが確実です。

墓石 — 水鉢・花立・竿石の正面を見る

和型の墓石には、今も家紋を刻むことがよくあります(入れない墓もあります)。刻む位置や大きさに決まりはありませんが、水を供える「水鉢(みずばち)」の正面に入れることが特に多く、花を供える「花立(はなたて)」や、家名を刻む一番上の「竿石(さおいし)」の上部、竿石を支える「上台」「中台」の正面、線香を供える「香炉(こうろ)」に入っていることもあります。

和型墓石の正面の模式図。竿石・上台・中台・芝台を積み、手前に水鉢と香炉、左右に花立がある。家紋が刻まれることの多い位置として、竿石の上部、水鉢の正面、左右の花立、香炉に印が付いている
和型墓石で家紋を探す場所(一例)。特に多いのは水鉢の正面です

写真は、紋の正面から全体が入るように1枚、彫りの細部がわかるように近づいてもう1枚撮っておくと、あとで名前を調べるときに役立ちます。墓石をこすったり、形を写し取ろうと何かを塗ったりすると石を傷めるおそれがあるので、見て撮るだけにとどめましょう。ほかの家の墓を見せてもらうときも、手を触れずに見るのがマナーです。

仏壇・位牌・盆提灯

大きな仏壇では、上部や下部の中央に家紋があしらわれていることがあります。位牌の上部、仏具や神棚の器、お盆に先祖を迎えるために灯す盆提灯、慶弔の際に使う袱紗(ふくさ)なども見てみましょう。なお、古い位牌は三十三回忌などの弔い上げを区切りに、先祖代々の位牌や過去帳にまとめられ、手元に残っていないこともあります。

紋付の着物・喪服 — 背中の中心を見る

箪笥にしまわれた紋付の羽織・袴や黒の喪服、留袖があれば、まず背中の中心を見ます。着物の紋は数が多いほど格が高く、入る位置も決まっています。

紋の数 入る位置 格
五つ紋 背中の中心に1つ、両胸に2つ、両袖の後ろ側に2つ 最も格が高い
三つ紋 背中の中心に1つ、両袖の後ろ側に2つ 五つ紋に次ぐ
一つ紋 背中の中心に1つ 三つ紋に次ぐ

着物の紋を手がかりにするときは、次の3点に気をつけます。

  • 女性が嫁ぐ前に実家で誂えた着物には、実家の紋が入っていることがあります。誰の着物かを、持ち主や家族に確かめましょう。
  • 関西などでは、母から娘へ受け継ぐ「女紋」が入っていることもあります(後半の「女紋とは」で紹介します)。
  • レンタルの喪服や留袖には、誰が付けてもよい「通紋(つうもん)」が入っていることが多く、代表的なのが「五三の桐(ごさんのきり)」です。その家の紋とは限りません。

瓦・箪笥・古い写真

瓦屋根の家では、棟の端に据える鬼瓦や、軒先の丸い瓦(軒丸瓦)に家紋が入っていることがあります。婚礼箪笥や鏡台、漆器、風呂敷、紋付を着て撮った古い記念写真も手がかりです。写真の紋は小さく写るので、拡大して墓石などの紋と見比べましょう。婚礼箪笥や鏡台には、女紋が入れられることもあります。

手順2〜4 親族・菩提寺・古い戸籍で家紋をたどる

手順2 親族・本家に聞く

家の中で見つからなければ、親族の年長者に尋ねます。家紋はふつう名字とともに受け継がれてきたので、同じ名字を名乗る父方の親族(祖父母や父のきょうだいなど)から聞くのが近道です。本家がわかっていれば、本家の墓や仏壇で実物を見せてもらうのが確実です。

家紋は一つの家に一つとは限らず、正式な「定紋(じょうもん)」のほかに「替紋(かえもん)」を使っていたり、途中で紋が変わっていたりすることもあります。親族から聞いた名前と墓石の紋が違うときは、どちらかが間違いと決めつけず、両方を記録しておきましょう。

手順3 菩提寺・霊園に相談する

先祖の墓がある寺(菩提寺)や霊園の管理事務所に、本家筋の墓がどこにあるかを尋ねると、その墓石で紋を確かめられることがあります。お寺の記録は檀家の個人情報でもあり、扱いは寺や霊園ごとに違います。自分との続柄と、家紋を調べたいという目的を伝えたうえで、相談する形でお願いしましょう。

手順4 古い戸籍で本籍地をたどる

戸籍には家紋は記載されていません。ただ、古い戸籍(除籍謄本・改製原戸籍謄本)をさかのぼって取ると、先祖がどの土地に本籍を置いていたかがわかります。自分で請求できるのは、原則として本人・配偶者と、直系の先祖・子孫の戸籍です。明治期などの古い戸籍は、保存期間の関係ですでに廃棄され、取れないこともあります。その土地や周辺で同じ名字の家や墓を探せば、本家筋の紋にたどり着ける場合があります。

2024年3月1日からは、本人・配偶者・直系の先祖(父母・祖父母など)・直系の子孫(子・孫など)の戸籍謄本や除籍謄本(改製原戸籍謄本を含む)を、本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました(広域交付)。請求する本人が窓口へ出向き、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真つきの身分証明書を示す必要があります。兄弟姉妹の戸籍、郵送や代理人による請求、一部事項証明書は対象外で、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は、これまでどおり本籍地の市区町村に請求します。

本籍地で同じ名字の家を訪ねるときは、いきなり電話をかけたり訪問したりせず、手紙で自分の素性と目的を伝えてから連絡すると、話が進みやすいとされます。

見つけた家紋の名前を調べる — 外枠・数・配置の読み方

家紋の名前は、多くが「外枠」「数や配置」「図柄」の順に組み立てられています。たとえば「丸に違い鷹の羽(まるにちがいたかのは)」は、丸い輪の中で2枚の鷹の羽が交差した紋、「三つ柏(みつがしわ)」は柏の葉を3枚組み合わせた紋です。組み立て方がわかると、紋を見ただけで事典のどこを引けばよいか見当がつきます。

家紋の名前を読む手がかりの模式図。A 外枠の形として丸(輪)・角・隅切り角・菱・亀甲・外枠なし、B 輪の太さとして太輪・丸輪・中輪・細輪・糸輪、C 紋の表し方として面で白く抜く日向紋、太めの線の中陰紋、細い線の陰紋を並べている
外枠の形、輪の太さ、日向・中陰・陰の違い。どれも名前の一部になります
名前の部分 名前の例 紋のどこを見るか
外枠 丸に〜/糸輪に〜/隅切り角に〜/亀甲に〜 囲みの有無と形、輪の太さ
数 三つ〜/五つ〜 花・葉・羽などの数
配置 違い〜(交差させる)/抱き〜(左右から抱えるように向き合わせる)/並び〜/三つ盛り〜(積み重ねる) 図柄の向きと重なり方
表し方 陰〜/中陰〜 面で白く表すか、輪郭の線だけか
付け足し 剣〜(例:剣片喰) 図柄のすき間に加えられた細部

名前を調べるときは、次の順で紋を観察してメモを取っておくと迷いません。

  1. 何を描いた紋か、大まかに見当をつける(植物・動物・道具・建物・図形・文字など)。
  2. 外枠の有無と形を見る。丸なら輪の太さも比べる。
  3. 花びら・葉・羽などの数を数える。
  4. 配置を見る。交差しているか、左右から向き合っているか、並んでいるか、積み重なっているか。
  5. 面で表した日向紋か、輪郭だけの陰紋かを確かめる。
  6. 紋帳(家紋の見本帳)や家紋の事典、家紋のデータベースで、分類から候補を探して照らし合わせる。

スマートフォンの画像検索で似た紋を探すと、名前の候補を見つける手がかりになります。ただ、家紋には似た形が多いので、最後は外枠や数を一つずつ照らし合わせて確かめましょう。多くの図書館では、家紋の本は日本十進分類法の「288.6」(紋章)に分類されています。約2万種を収めた『日本家紋総鑑』のような大部の事典もあり、蔵書検索で「家紋」「紋章」と入れても探せます。

名字から家紋を調べるときの注意

名字を入れると家紋が表示される一覧やデータベースもありますが、同じ名字でもルーツや出身地によって家紋は異なり、違う名字の家が同じ家紋を使うこともあります。表示されるのは「その名字の家で使われている例」なので、自分の家の紋と決める根拠にはなりません。実物で見つけた紋の名前を探すための補助として使いましょう。

家紋がわからない・見つからないときは

家紋には、戸籍のような公的な届け出や登録の制度がなく、もともと各家が自由に選んで使ってきたものです。手を尽くしても分からない場合は、次のような方法があります。

  • 新しく家紋を定める:家族で相談し、好きな図柄の紋を選ぶ、または作る。家紋を新たに決めても問題はありません。
  • 通紋を使う:喪服や留袖に紋が必要なときは、誰が付けてもよい通紋を使う方法があります。レンタルでは、通紋や、シールのように貼り替えられる「貼り紋」で対応することが多いようです。
  • 専門店に相談する:紋入れを扱う呉服店や紋章の専門店、墓石なら石材店に写真を見せると、似た紋の名前を教えてもらえることがあります。

墓石や仏壇に新しく家紋を入れる場合は、あとで親族の間で紋が食い違わないよう、本家や兄弟と相談してから決めると安心です。

家紋とは — 起源と、名字との関係

家紋とは、家の出自や家系、家柄を表すために用いられ、代々受け継がれてきた紋章です。いわば「家のロゴマーク」で、墓石や仏具、礼装の着物などに付けて、その家のものであることを示してきました。

始まりは平安時代とされ、公家が自分の牛車に独自の文様を付けて目印にしたのが起こりと言われます(時期は中期・後期など資料によって異なります)。平安時代の末からは武家も旗や幕に紋を描き、戦場で自分の働きを示したり敵味方を見分けたりする印として用いるようになり、家紋は武家の間に広がりました。江戸時代には、公の場で名字を名乗ることが限られていた庶民も、家紋を使うことは規制されておらず(皇室の菊紋や徳川家の葵紋などを除く)、商家や役者のあいだにも広まりました。

家紋と名字は一対一で結びついているわけではありません。同じ名字でも家によって紋が違い、反対に違う名字の家が同じ紋を使っていることもよくあります。家の正式な紋を「定紋」、それ以外に使う紋を「替紋」と呼ぶほか、神社の「神紋」、寺院の「寺紋」のように、家以外の紋もあります。

家紋は藤・桐・鶴など和柄(伝統文様)と同じモチーフを多く使いますが、くり返して飾りにする文様に対して、家紋は一つを単独で置いて家を示す目印である点が違います。和柄の種類と意味は和柄一覧40種|吉祥文様の意味で紹介しています。

家紋の種類 — 描かれたもので分ける7つの分類

家紋の数ははっきり決まっておらず、現在使われている家紋は2万とも2万5000とも言われます(数え方によって資料ごとに差があります)。分け方も資料によって違いますが、描かれているものによって、おおむね次のように分類されます。

分類 描かれているもの 代表的な紋
植物紋 花・葉・実・木 藤、桐、片喰、柏、桔梗、梅、葵
動物紋 鳥・虫・獣・想像上の生き物 鷹の羽、鶴、蝶、雁金、兎、鳳凰
器物紋(器財紋) 道具・武具・乗り物など 扇、団扇、車、分銅、矢
建造物紋 建物や構造物 井桁、井筒、鳥居
天文・自然紋 日・月・星・山・波など 月、星、雪、波、山
文様紋 図形や模様 巴、菱、亀甲、七宝、鱗
文字紋 漢字や数字 「一」「大」などの文字を図案化したもの

いちばん数が多いのは植物紋とされます。巴(ともえ)のように、もとになったものに諸説ある紋もあります。和柄として知られる図柄が家紋になった例も多く、麻の葉には「丸に麻の葉」などの紋があり(麻の葉模様の意味と由来)、青海波にも波をかたどった紋があります(青海波とは?意味・由来)。

家紋の意味 — 十大家紋に込められた願い

使う家が特に多い10種類の紋は「十大家紋」と呼ばれます。どれを数えるかに厳密な根拠があるわけではない便宜的な呼び名ですが、家紋の意味を知る入り口になります。このうち藤・桐・鷹の羽・木瓜・片喰は、とりわけ使う家が多い「五大紋」とも呼ばれます。

家紋(読み方) 図案化したもの 言い伝えられる意味・由来
藤(ふじ) 垂れ下がって咲く藤の花と葉 藤原氏の一族の紋として広まったとされる。花房を丸く形づくったものが多い
桐(きり) 桐の葉と花 中国の伝説で鳳凰がとまる木とされ、格式の高い紋。皇室や豊臣秀吉が用い、五七の桐は日本国政府の紋章としても使われている
鷹の羽(たかのは) 鷹の羽根 勇ましい鷹にあやかり、武家に好まれた
木瓜(もっこう) 瓜の断面や鳥の巣を図案化したとされる(諸説あり) 子孫繁栄
片喰(かたばみ) 野草のカタバミの葉 繁殖力が強いことから、家が絶えない・子孫繁栄
蔦(つた) ツタの葉・茎・花 たくましく伸び広がる姿が子孫繁栄に通じる
茗荷(みょうが) ミョウガの花 音が「冥加(神仏の加護)」に通じる
沢瀉(おもだか) 水辺の草オモダカの葉と花 葉が矢じりに似ることから「勝ち草」と呼ばれ、武家に好まれた
橘(たちばな) タチバナの実と葉 橘氏ゆかりの家の紋とされる
柏(かしわ) カシワの葉 新芽が育ってから古い葉が落ちることから、家系が途切れない縁起の木とされる。神職の家に多い紋とされる

意味の多くは後世に言い伝えられてきたもので、由来には諸説あります。また、その家がなぜその紋を選んだかは家ごとに違い、紋の意味や由来がそのまま家の歴史を示すとは限りません。藤の紋を使う家が藤原氏の子孫、橘の紋を使う家が橘氏の子孫と決まっているわけでもありません。

女紋とは — 母から娘へ受け継ぐ紋と地域の違い

女紋(おんなもん)とは、家の正式な家紋とは別に、女性が使う紋のことです。江戸時代ごろから、女性のための紋が使われるようになったとされます。何を女紋と呼ぶかには諸説あり、地域によって指すものが違います。

呼ばれ方 内容 補足
母系で受け継ぐ紋 母から娘、孫娘へと、姓が変わっても女系で伝える紋 主に関西や瀬戸内海沿岸などの風習とされ、地域によってはほとんど見られない
女性用に形を変えた紋 家紋から丸(外枠)を外したり、剣などの勇ましい意匠を除いたりした替紋 女性にふさわしい形にするための工夫とされる
実家の紋 嫁ぐ前に実家で誂えた着物を、嫁いでからも実家の紋のまま着る 着物が女性の財産だった時代に、持ち主を示したとする説がある

女紋は喪服や留袖・色留袖のほか、嫁入り道具の婚礼箪笥や鏡台に付けられることもあります。一方、女紋の習わしがない地域では、結婚してから誂える紋付には嫁ぎ先の紋を入れるのが一般的とされます。紋の習わしは地域や家によって大きく違うので、着物に紋を入れる前に、実家と嫁ぎ先の両方に確かめておくと安心です。

家紋を調べている途中で、母や祖母の着物、婚礼箪笥から、父方の墓石と違う紋が見つかることがあります。それは女紋や実家の紋かもしれません。どの品に付いていた紋かを分けて記録しておくと、家族に尋ねるときに話を整理しやすくなります。

家紋の形を普段着で楽しむ — 紋を並べたコットンT

家紋は冠婚葬祭の場で目にすることが多いものですが、その形は、丸や角の限られた枠の中に植物や鳥、道具を収めた小さなデザインでもあります。藍染市場のコットンT「家紋」は、そうした紋の形を図柄にしたTシャツです。

正面には、左胸から腹にかけて白い紋が10個、縦2列に並んでいます。輪の中で三つの巴が渦を巻く紋、鳥をかたどった紋、菱形の紋、外枠のない植物の紋などが混ざっていて、この記事で紹介した外枠の有無を見比べることもできます。背中には、上のほうの中心に、五つの丸い弁で縁取った大きな紋が一つ入っています。着物の背紋と同じく、背中の中心線上に紋が来る配置です。

藍色のコットンT「家紋」の正面。左胸から腹にかけて白い紋10個が縦2列に並び、輪で囲んだ三つ巴、鳥をかたどった紋、菱形の紋、外枠のない植物の紋などが見える
コットンT「家紋」(藍染市場)— 輪で囲んだ紋と外枠のない紋が並び、外枠の有無を見比べられます

サイズはS・M・L・XLの4展開で、着丈はSが66cm、XLが78cm、身巾はSが49cm、XLが58cmです。紋のように丸い輪で図柄を囲んだ、ワンポイント柄のTシャツもあります。

二葉葵は、京都の賀茂神社(上賀茂神社・下鴨神社)の神紋として知られる図柄です。ほかの柄やサイズの選び方は藍染コットンT図鑑で、洗濯のコツは藍染アイテムのお手入れガイドで紹介しています。

まとめ

自分の家紋を調べるなら、まず墓石(特に水鉢の正面)や仏壇、盆提灯、紋付の着物といった家にある品を探し、親族や本家に聞いて裏づけるのが近道です。見つからなければ菩提寺や霊園に相談し、古い戸籍で先祖の本籍地をたどります。戸籍に家紋は載らず、名字の一覧も目安にすぎないので、最後は実物の形で確かめることが大切です。

見つけた紋は、外枠・数・配置・日向か陰かを読み取れば、紋帳や事典で名前を突き止められます。それでも分からなければ、新しく家紋を定めても問題はありません。女紋のように地域で習わしが違うものもあるので、家族と話しながら調べてみてください。

→ コットンTの柄一覧を見る / コットンT「家紋」を見る

よくある質問

自分の家紋がわからないときは、どうやって調べればいいですか?

まず墓石(水鉢や花立、竿石の上部)、仏壇や位牌、盆提灯、紋付の着物など家にある品を確かめ、父方の親族や本家に聞いて裏づけます。見つからなければ菩提寺や霊園に本家筋の墓を尋ね、古い戸籍で先祖の本籍地をたどります。それでも分からなければ、新しく家紋を定めても問題ありません。

苗字から家紋はわかりますか?

名字と家紋を結びつけた一覧やデータベースはありますが、同じ名字でもルーツによって家紋は違い、違う名字で同じ紋を使う家もあります。一覧に出るのは「その名字の家で使われている例」なので、自分の家の紋を決める根拠にはなりません。実物で見つけた紋の名前を調べる補助として使いましょう。

家紋は戸籍に載っていますか?

載っていません。家紋には公的な届け出や登録の制度がないためです。ただ、古い戸籍で先祖の本籍地がわかれば、その土地で同じ名字の家や墓を探し、本家筋の紋を確かめる手がかりになります。

画像から家紋の名前を調べるには?

スマートフォンの画像検索で似た紋を探すと、名前の候補が見つかることがあります。家紋は似た形が多いので、外枠の形と輪の太さ、花や葉の数、配置、日向紋か陰紋かを一つずつ照らし合わせ、紋帳や家紋の事典で確かめると確実です。

家紋は何種類ありますか?

数え方によって大きく変わり、現在使われている家紋は2万とも2万5000とも言われます。描かれたものによって植物紋・動物紋・器物紋・建造物紋・天文・自然紋・文様紋・文字紋などに分けられ、いちばん多いのは植物紋とされます。

女紋とは何ですか?

家の正式な家紋とは別に、女性が使う紋のことです。母から娘へ女系で受け継ぐ紋を指すことが多く、主に関西や瀬戸内海沿岸などの風習とされます。家紋の丸を外すなど女性用に形を変えた紋や、実家の紋を女紋と呼ぶこともあり、指すものは地域によって違います。

家紋は自分で新しく作ったり変えたりしてもいいですか?

家紋には公的な登録制度がなく、もともと各家が自由に選んで使ってきたものなので、新しく定めても問題ありません。ただし墓石や仏壇、紋付の着物に入れる場合は、親族の間で紋が食い違わないよう、本家や家族と相談してから決めると安心です。

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AIZOME ICHIBA

日常を彩る、藍染のある暮らし

着るほどに馴染み、使うほどに表情が変わる。藍染市場のアイテムを、ぜひお手元で。